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今年最大のイベント(昇段審査) [空手]

SANY0704.JPG

「昇段審査まであと34日しかないのだ…」とか言ってたら、あっという間に審査当日になってしまった。



このところBlogの更新ができなかったのは、頭の中が審査で一杯の日々を送っていたから…
6月半ばからは、審査の重圧で一日中気持ち悪くて、胃に穴が開きそうだった。
仕事中でも、ふと形や組手のことが頭を過ると「おえっ」となるくらいだった。

今回は4月23日に審査向け特訓を始めた矢先に左手薬指の骨折というアクシデントに見舞われ、1ヶ月殆ど稽古できなかったというのもあるが、色々複雑な状況下での受審だったので、恐怖もひとしおだった。

三段は、10年前、私が空手を始める時に立てた目標であり、これまでの修行の集大成でもあるということで、本当に大きなプレッシャーとの戦いだった。
加えて、今回は子供達に空手を指導するようになって初めての審査。子供たちや親御さんの手前「落ちました」と言うのも、と余計な圧力も加わったりして[がく~(落胆した顔)]


審査は、基本・形・基本組手(約束組手)・自由組手の4種目なのだが、骨折の影響で出遅れたため、基本と自由組手はほとんど先生に見て頂く余裕がなかった。
ひたすら形と基本組手の稽古。三段の審査で行なう基本組手(五本目)は、空手のくせに「投げ」あり「関節の決め」ありとものすごく難しく、稽古するのにとても痛い思いをしなければならないものなのだ。(ホント右の手首と肘の関節はずーっと痛かった…)
そしてやってもやっても上手くできず、何度受けるのを止めようかと思ったことか…

22日(日)には審査前合同稽古というのがあって、今回の昇段審査を受審する人たちが、師範や高段者の先生方から指導を受けるのだが、さすがに三段となると、一つ一つの動きやかたち、立ち方に対する要求は厳しく、たくさんの指摘を受けて、頭の中が真っ白になるほどだった。ことあるごとに「三段になるとね、審査であら捜しをされるから…」なんていわれて、やればやるほど自信を失っていった。

漸く開き直りだしたのが、23日の稽古くらいから… 
自分では合格のレベルに達しているかどうかは判らないながらも、少なくとも先週よりは進化しているというのが、先生の言葉の端々に伺えるようになったことで、これだけ高いレベルを要求されるのなら、落ちてもしょうがないかな、審査のための稽古で少しでも上達していれば、良いじゃないか!と思えるようになってきた。

それでもそう思えるのは稽古が終わって家に帰って眠るまでで、朝起きるとまた胃が気持ち悪い。
もう止めてぇって…

結局基本は殆ど独り稽古のみ、自由組手(実は一番苦手)に至っては、対策なしのぶっつけ本番みたいな状態で、審査当日の朝を迎えてしまった。


2008年6月29日(日)大雨警報の発令される程の雨。
会場は静岡市南部体育館。朝10時の新幹線で会場入りし、直前の準備はわずか40分。疲れがたまっている体は節々が痛い。
もうだめだ。帰っていいですか?ってな感じ。

せっかくビデオカメラを持ってきたのに、塾長先生に撮影を頼むのも忘れて、審査が始まってしまった…

第一種目「基本」
受験番号は「3番」。二段の時も3番だったので縁起の良い番号だと無理やりゲンを担ぐ。
大勢の初段、10人位の二段の「基本」を見ているうちに、体が冷えていく…
そしていよいよ三段の審査が始まる。当然受験番号「3」は1列目だ。
他の受審者のレベルを見ることもできず、あっという間に号令が掛かる。

「順突き!蹴りを加えて… いちっ!」

その一本目の突きが目の前でブレた! そこから先は殆ど覚えていません[ふらふら]

順突き蹴り入れて5本
順突き蹴りなし5本
逆突き蹴り入れて5本
逆突き蹴りなし5本
順突きの突込み蹴り入れて5本
順突きの突込み蹴りなし5本
逆突きの突込み蹴り入れて5本
逆突きの突込み蹴りなし5本
飛込み突き左右各5本
飛込み流し突き左右各5本

都合60本もやったのに一瞬で終わったしまった。
やべぇ!どうしよう!?って焦っているうちに、「やめっ! 直って礼をして下がれ!」だって…

一番大事な基本が…全然ダメだった。

この時点で不合格を覚悟した。と同時に一気に気が楽になり、残りを楽しもうと切り替えられた。


第二種目「形」 チントウ
余計な緊張が抜けたせいか、形の自己採点は、過去最高。稽古のときよりも上手くできたと思う。気をつけなければならないところを意識しながら演舞できたと思う。
とにかく疲れないように、「ふわーっ ピッ」と決めと緩みを意識していたような記憶がある。



ここでしばし休憩。

休憩の間に塾長先生にコメントをもらう。
塾長:「良かったじゃないの」 ←この時点で塾長のコメントの意味を理解する余裕はなかったな…
私:「形はリラックスしてできました。でも基本はめちゃくちゃでした…」


残りの種目のビデオ撮影をお願いして、再び列に戻る。

第三種目「基本組手」 五本目
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基本組手の相方は、破壊王M・けり男。「ここまできたら細かいことはともかく、気迫を前面に出していきましょう!」と。
基本組手は二人の息が合っていないと相手まで不合格にしてしまう種目なので、運命共同体だ。
文字で説明するのは難しいから動画でどうぞ…

基本組手の動画


最終種目「自由組手」
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あ~あ、ホントにぶっつけ本番だよ。これも細かいことは言ってる余裕無いから、体が勝手に動いてくれるのに任せるしかないな。
中段を一本だけ取りにに行こう。って思ったら、すぐに「用意!はじめっ!」

ここでも相手は、破壊王M・けり男。これまで俺の骨を二本折った男だ。
別に怨んじゃいないが、今日は好きにさせるわけにはいかん!

しかし…
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もらっちゃったよぉ~。

初段の審査の時もそうだったのだが、俺、もらうと「ぶちっ」と切れるらしい。
後で、M・けり男に「ぶちっと行ってましたね…」と指摘されちゃった。
ホントに行っちゃってるかは動画でどうぞ…

自由組手の動画


というわけで審査修了。上段もらったダメージで頭くらくらする…


審査員の先生方の採点すり合せのため、ここでまた休憩。

全員が着替えてから再集合。 ついに合格発表のときが来た。

審査の間は全員受験番号で呼ばれる(囚人みたいだ…)。当然合格発表も受験番号のみが口頭で発表される。

「三段の3番」これが私の受験番号。

まあ今回は呼ばれることはないだろうと思いつつもやはり、「呼んでくれ~!」と思いながら発表を待つ。

少年部の二段から始まり、一般の初段、二段と番号が呼ばれていく。

「次は、三段」

「発表します」

「え~ 三段は…」(引っ張るなよ…)


「2番! 3番! 5番!」

「えっ? うそっ? ホント?? よっしゃぁ~!!!」 声には出さず、小さいながらも掌から血が出るほど握り締めたガッツポーズ。

正直なところ  「どうしましょう 合格っちゃいました!」 って感じだった。




『勝ちに不思議の勝ちあれど、負けに不思議の負けなし』

これ、ボヤキのノムさんこと、楽天野村監督の名言だが、昇段審査も同じで、『合格に不思議あれど、不合格に不思議なし』ですな…

これまで3回の昇段審査はいつも、「なんで合格できたか解らない」ってのが本音で、今回も実は、まだ合格した実感が沸かんのだ。
「ここと、ここと、これが失敗してるから、きっと合格ラインには乗っていないだろう」。と思っていたのだが、不思議と合格だった。

後の塾長先生からのフィードバックで知ったのだが、実は自分じゃ「てんで話にならん」と思っていた「基本」は、稽古のときより、そして一緒にやった1番さん2番さんたちよりもずっと良い出来だったんだそうだ。


審査では、自分がイメージしていた三段の「基本」や「形」や「組手」のレベルには到底追いつけなかったと思っていたのだが、もしかすると、自分が追いかけていたイメージは実際の三段合格ラインより高いレベルだったのかもしれない。

そう考えると、『合格に不思議あれど、不合格に不思議なし』の辻褄が合うのだ。

そういえば以前に初段の審査に落ちた奴が、『何で落ちたのか解らない』って言ってたことがあったが、その時私は、「だから合格んないだよ」と思っていたなぁ…


何はともあれ、今年最大のイベント、三段昇段審査を見事に一発合格で終わることができた。

ご指導頂いた塾長先生をはじめ励ましの言葉をくれた塾生のみんな、そして何度も「もうやだ!」と投げ出しそうになった時に、「もう一本やりましょう!」と引っ張ってくれた、破壊王M・けり男、骨折のおかげでGW何もできずつまらん想いをさせた家族に、深く深く感謝です。


◆◆◆7月2日追記◆◆◆
妻がお祝いにケーキを焼いてくれました。
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